「棚ぼた利益」を得た人が避けたい7つの失敗
米国では高額宝くじの当せん者が頻繁に出ていることもあり、多くの人が「棚ぼた利益」はあり得ないほどの高額になるものだと思っている。だが、それほどの大金が突然手に入ることは非常にまれだ。

一般的な「棚ぼた」は、相続や事業・不動産の売却益、離婚調停が有利に運んだ、といったことによるものだ。まとまったお金が手に入ることは人生を変える出来事のように思えるかもしれないが、実際には生活水準を変えるほどのことにはならない。

受け取ったお金をどのように扱うかが、その後の”相対的な成功”を左右する。そこで重要になるのが、以下の7つの「基本的な間違い」をしないようにすることだ。

1. 性急な決断をする

支出でも投資でも、お金を使うことについて急いで決断する必要はどこにもない。ラスベガスへの素晴らしい旅、欲しかったボートの購入などは、新たに手に入れた富が何をもたらすのか、よく理解できるまで待った方がいい。複雑な投資に関する決断についても、同じことだ。

2. 税金の問題を抱える

不動産を売却した場合やストックオプションの権利を行使した場合、宝くじに当せんした場合などには、所得税が課される。

納税に関しては、信頼できる専門家に相談することが重要だ。課税されることを知らずに手に入れたお金を全て使ってしまったとしても、内国歳入庁(IRS)が課税を免除してくれることはない。

3. 複雑な金融商品を購入する

大金を預けた銀行の投資部は、金融商品の購入を勧めようと連絡をしてくるはずだが、注意しなくてはならない。自分がその大金をどうしたいのか明確になるまで、どのような選択肢があるか理解するまでは、何も決断しないことが重要だ。

4. 自分のリスク許容度が分からない

長期投資に向いており、ハイリスクの投資でもある株式投資などは、一度に大金を手にしたときの投資方法として適している。だが、株式相場にはボラティリティーがあるなど、こうした投資にはリスクが伴う。

初めてまとまった大金を手に入れ、株価の変動でその一部を失うのも初めての経験だというなら、不安の種になってしまうかもしれない。

5. 友人や親戚の勧めに乗って投資する

一獲千金を狙った計画や”見逃せない投資機会”などについて誘いを掛けてくる人が、大勢いるだろう。そうした人たちの誘いには、何があっても乗らないことだ。自分のことしか考えていないそうした人たちに、操られてはならない。

6. お金に関する計画が立てられない

お金の管理について学ぶことは、最初は大変なことのように思えるかもしれない。だが、少しずつ学んでいけばいい。まずは信頼できる関連サイトで勉強してみるのもいいだろう。コミュニティカレッジでファイナンシャル・プランニングのコースを履修することもできる。

知識が増えるにつれて、自分のリスク許容度を理解し、株式市場への長期的な投資の利点などが分かるようになる。

7. 現金のまま長期保有

現金を銀行に預けておくことは”安全な”投資のように思えるかもしれないが、利子がつけばそれも所得とみなされ、課税の対象となる。その利益率が(税込みでも税引き後でも)、インフレ率を上回ることはほとんどない。

実質利益率はマイナスになり得るということだ。つまり、銀行に預金しておいても、購買力は徐々に低下していく。

老後に備えることも重要

米国では貯蓄率が上昇する傾向も見られるものの、金銭的な自由を手に入れることは依然、多くの人にとって難しいことだ。個人向けの金融関連情報を提供する米ゴーバンキングレーツ(GOBankingRates)によれば、米国人の42%は退職後に向けた準備が全くできていないとみられている。

一度に大金を手にするという幸運に恵まれたなら、その一部は使い、残りは賢く投資に回すというのが最善の策だといえる。