2014年7月6日日曜日

サイコロの目で「給料」が変動する、導 入した会社の真意とは…

給料やボーナスは通常、仕事に対する上司の評 価が良いときに上がるはず。

ところが、一般企業の「常識」にとらわれない 給与制度を持つ企業がある。月給がサイコロに よって変わってしまうのだ。関西など全国からク リエイターを幅広く採用しているウェブサイト製 作・アプリ開発の「カヤック」(神奈川県鎌倉 市)は、他人からの偏った評価を給料に反映させ ないことで、社員にやる気を失わせないようにす るという。

■給料を運で決める

給料日が近づく毎月末ごろ、同社オフィスの片 隅は奇妙な緊張感に包まれる。人事担当者らが見 守る中、社員がサイコロを1度だけ振る。その顔 は楽しみながらも真剣だ。なぜなら、サイコロの 目で給料の額が変わるから。「今月はサイコロの 目が良かったので、先月より上がりましたよ」と 男性社員は笑った。

カヤックは平成10年の創業当初から約16年 間、この「サイコロ給制度」を続けている。社員 の基本給に加える“プラスアルファ”をサイコロの 出目で決める仕組みだ。例えば、3の目が出たら 「本人の基本給×3%」をプラス。ただ、加算され る額は最高でも数万円の範囲で、広報担当者は 「サイコロの目で給料が増えるが、減るわけじゃ ない。楽しめる仕組みになっています」と説明す る。

サラリーマンにとって最大関心事の給料に、な ぜ奇想天外な仕組みを導入したのか。ウェブサイ トを製作するクリエイターの仕事は、人によって 評価がばらけるデザインなどが主だ。このため人 による評価では食い違いや限界があり、その不完 全さを「遊び心」で埋めようというコンセプト だ。

■人事評価は同僚で

カヤックでは給料を決める人事評価でも、上司 が部下に対して行うという一般的な手法に風穴を 空けている。

同社のクリエイターはウェブサイトのデザイン 担当、全体の製作進行担当など、数種類の業種に 分かれており、人事評価は同じ業種に所属する同 僚同士で行う。半年ごとに、同僚の仕事を「プロ グラムは○○さんが一番」などと評価。さらに社員 同士の投票で作ったランキングが社内用のネット 掲示板に掲載され、給与に反映される仕組みだ。

上司だけでの評価ではないため、完全な「実力 主義」。順位で入社年次が逆転することも少なく ないという。

「できるだけ幅広い評価にして、フェアに給与 を決めなければ、勤務意欲にも悪影響を及ぼ す」。人事担当者はそう指摘する。

■お金にならない給与

給料に反映されない評価を伝える「スマイル給 制度」もある。毎月、社員がランダムに決めた同 僚1人のよいところを見つけ、メッセージを伝え る制度だ。給与明細に「いっしょに仕事したい 給」といったメッセージを掲載。0円だが「自身 への評価」がモチベーションを高めている。

「面白法人」を標榜(ひょうぼう)する同社は 給与制度以外でもユニークな取り組みで知られ る。一例は、どこでも仕事ができるというIT企 業の特性を生かし、一定期間、住居兼オフィスを 各地に構える「旅する支社」。京都、伊豆などに 遠征し、東日本大震災後には復興支援で仙台に設 けた。

ウェブやアプリの開発には自由な発想、行動に 加え、仕事をおもしろいと感じる社風が必要だ。 カヤックはユニークな工夫で社員を育て、成長に つなげている。

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