家計診断をしていると、お金を貯めようと思っているのに、なぜか貯められない人がとても多いことに気づきます。『なぜか貯められない人』には、共通の「思い込み」や「勘違い」がありました

貯金がない人に共通の思い込みや習慣

家計診断をしていると、お金を貯めようと思っているのに、なぜか貯められない人がとても多いことに気づきます。『なぜか貯められない人』には、共通の「思い込み」や「勘違い」がありました。続けがちなこのNG習慣を改善していかないと、いくら意志があってもお金はなかなか貯まりません。貯まらない人の落とし穴、あなたもはまっていませんか?

「なぜか貯められない人」とは、こんな人

ひと口に「お金が貯められない」といっても、いろんな人がいます。収入が少なく生活費を支出するとどうしてもお金が残らない人、借金の返済額が毎月の収入を上回っている人。でも、今回の『なぜか貯められない人』とは、一定の収入があり貯めようと思えば貯められるはずなのになぜかお金が貯まっていない人のことです。具体的には、

・毎月収入がある
・借金はない
・派手な生活をしている訳ではない
・お金を貯めなきゃ、とは思っている
・家計簿をつけたことはあるorつけている
・貯金は目標額をなかなか越えない

どうです? 一見何の問題もなさそう。すぐにサクサク貯まりそうな人です。では、何が問題なのでしょう?

「しているつもり」の勘違い

一番多いのは、しているつもりになっている人です。

・節約をしているつもり
・高い物は買っていないつもり
・贅沢はしていないつもり

大きなお買い物や豪華な食事、ブランド品は買っていなくても、お金は何かに消えています。クレジットカードやお店のポイントで賢く買い物をしているつもりが、実は余計な物を買わされることになっていませんか? ムダ遣いが嫌いで節約好きの人は、自分のお金を使う時のクセを治しましょう。

「まじめな人」の思い込み

次に多いのはまじめな人です。まじめな人は自分に厳しく他人に甘いので、頑張っている自分を認めず、人の言うことはなかなか断れないという特徴があります。

 ・貯金があまりできない自分にがっかり
・家計簿が続かなくてイライラする
・完璧主義
・誘いが断れない
・店員にすすめられると買ってしまう
・説明を受けると買わないと申し訳ないと思う

こういった人たちは、よし! とばかりに毎月5万円貯めるのですが長続きしません。そこで、落ち込む。でも、これは1万円でも2万円でも、コツコツ続けることが大切です。たとえ、5,000円でも続けられればまずは続けられた自分をほめましょう! そして、次は金額を上げればいいのです。

家計簿も簡単に続けられるものではありません。最初から完璧をめざさず、1つずつハードルをあげて行きましょう。

まじめな人は、人の誘いを断ることができません。相手に悪いという、思い込みがあるからです。飲み会の誘いや、休日のレジャー、全ておつきあいしていたら、自分の時間もお金もなくなります。おつきあいして良いものと、必要のないものを選ぶことも大切です。

買い物の時も、相手を傷つけずに断る方法を知っておくといいですね。

「特別だったから」という言い訳

家計簿を見ていて、支出が多かった物について尋ねると「あ、これは特別なんです」という答えが返ってきます。特別も続けば、特別ではなくなり通常の支出になります。その特別とは?

・友達が上京したから
・母の日だったから
・父の日だったから
・誕生日だったから
・結婚式があったから
・クリスマスだから
・仕事が忙しかったから
・送別会があったから

もう、お分かりですね。「特別」は年に1~2回程度しかないという誤解。母の日があれば、父の日もあって、家族が4人いれば誕生日は年4回やってきます。つまり、イベントは毎月あると言っても過言ではありません。

さらに、忙しかった自分へのごほうびをちょこちょこ買いしていたら……。これらを特別と思わず(だって、月に1回何かがあるのですから)「特別だから、フンパツ!」というクセを治しましょう。フンパツするなら、特別費というお金を手取りの中から先に予算取りしなくてはいけませんね。

いかがでしたか? あるマネーセミナーで「全部当たってます」「私の生活見てたんですか?」と青くなっていた方が、何人かいらっしゃいました。長年続いた習慣を、今日から全部変えるのは、大変です。これも完璧をめざさず、コツコツ変えよう!と思うのが成功の秘訣といえるでしょう。
(文:山口 京子(マネーガイド))