シングル女性は家庭の主婦と比べると、お金や老後の不安を大きく抱えてます。シングルだからこそのお金の管理の仕方や付き合い方をお伝えします

シングル女性のための家計管理

シングルでいることに普段は不便を感じることは少なくても、病気になったり、親が亡くなったりした時などに、不安に襲われることがあるのではないでしょうか。

アラフォー世代になると、一生独身かもしれないからと、「これからの人生のお金」についてご相談に来られるシングル女性が多くなります。自分で自分を養うことになりますので、頼れる夫がいる主婦とは、家計やお金に関する意識や姿勢が違うのは当然のことです。

シングル女性の老後に必要なものは「お金・健康・友人・住まい」です。老後の不安が大きくなりがちなのがシングルの特徴ですが、これらを備えることができたら安心なので、早いうちから「お金・健康・友人・住まい」をどう確保するのか?と考えていくことが大切になります。

シングル女性の相談を受けながら、どのような点に注意しながら家計を管理していけばよいのか、「収入・支出・貯蓄・保険・住まい」という観点からまとめてみました。

1.正社員として働き、「収入」を確保する

誰かが養ってくれるわけではありませんので、自分で稼ぎ自分を養う必要があり ます。収入面で大切なのは「継続的に稼ぎ続けること」ですので、正社員として働くことが重要になります。パートや非正規雇用だと、一般的には収入が正社員よりは低めでバラツキが出ますので、ライフプランを立てにくくなります。

正社員として働くことで、傷病手当(※)や雇用保険といった社会保険の存在は大きな味方となります。また、厚生年金が受給できるようになるので、年金も増え、老後の不安を払拭できるようになります。パートでも社会保険に加入できる場合はありますが、収入が低めになるので、ぜひ正社員を目指してほしいと思います。

※傷病手当とは……会社員の場合、病気やケガで仕事を休業した場合、4日目からは社会保険から報酬日額の2/3が支給される制度があります。

しかし、シングルだからこそ、どのくらい働くのか考えるのも大切です。自分しかいない分、無理をして体を壊しては意味がありません。お金も大切ですが、健康であるからこその仕事ですので、自分の体と向き合い、働き方を調整する術も覚えていきたいものです。

2.「支出」をコントロールする

結婚している周りのアラフォー女性は、教育費や住宅ローンなどで家計が苦しい場合がありますが、シングルの特権として自分のためだけにお金を使えるので、とても優雅に服飾品や趣味にお金を使うことができます。ペットを飼っていることも多いですね。

結果的に支出も多く、お金が貯まっていないケースが多くなります。しかし、将来を見据えると、これまでのお金の使い方で良かったのか?と不安になるようです。

ストレス発散や見栄のための買い物になっていないでしょうか? 生きたお金として、この支出は自分の幸せや豊かさと繋がっているのか、今一度支出面を見直すことを始めましょう。

3.「貯蓄」は絶対必要

どんな状況になっても、自分を自分で守るための道具として「お金」は必要なものです。だからこそ、貯蓄は絶対に必要です。そのためにも、「収入-貯蓄=生活費」と先取り貯蓄を習慣にしましょう。

まずは、最低限の貯蓄として生活費の3カ月分は、現金で持っておくことが必要です。これを「緊急予備資金」といいます。次に、不要な借金を持たないためにも、車費や旅行費、老後資金といった目的別の貯蓄も必要です。

4.「保険」は積立型をメインに

シングルの場合、誰かを養っているわけではありませんので、死亡保障は必要なく、メインにすべき保険は医療保険やガン保険、老後のための保険です。ただ、医療保険も正社員ならば傷病手当がありますので、入院日額5000円を基本に必要な保障を足していくとよいでしょう。余裕がある場合、女性疾病特約を付けておくと安心度は高まります。

また、シングル女性は貯蓄をしないといけないとわかっていても、贅沢しやすくなることから、先取り貯蓄の意味も含め、貯蓄型の保険に入りこつこつと老後のお金を貯めるのもよいでしょう。現金での預貯金と違い、保険で貯めることで、取り崩しにくくなるため、確実に貯まりやすくなります。

5.「住まい」は40代前半には確保したい

住まいをどうするのか?もシングル女性にとっては大きな課題です。賃貸のまま過ごすのか? 実家に住むのか? マンションを買うのか? セキュリティ面や利便性を考えると、女性にとっては一戸建てよりマンションのほうが好都合なようです。

将来住むことのできる実家がある場合は賃貸でもよいですが、もし、将来住むことのできる実家がないなどで購入を考えている場合は、40代前半までに決断するほうが、返済期間を考えると無難です。

シングルとはいえ、親や兄弟姉妹と住む、ご縁があればパートナーと住む、という可能性が無いとはかぎりませんので、2LDKくらいのマンションで、広すぎず狭すぎない物件を中古で買うのもベターでしょう。新築だと割高となり、資金計画に無理が生じやすくなりますので、築浅~築15年くらいの中古物件のほうが現実的です。

・2LDK(60~70平米)くらいの広すぎず、狭すぎないマンション
・定年までに完済できる資金計画
・中古マンション(築浅~築15年程度)
・売却がしやすい物件

老後の住まいがあるというのは安心です。しかし、定年後に住宅ローンが残るのも、とても辛いものです。出口戦略として、高齢になったら売却して、売却代金と年金で施設に入居するというような方法もあります。まずは資金計画を立てた上で、自分のライフスタイルに合った物件を探していきましょう。
(文:二宮 清子(マネーガイド))